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国道477号 京都市左京区内

「国道477号」―― この文字の形、この音の響き、普通の人にとってはどこかを走っている単なる国道という風にしか受け取れない。しかし、少しでも「酷道」をかじったことのある人間にとっては「ああ、あの国道ね。」と即座に反応が返ってくる、それがこの国道477号だ。

では、その国道477号、一体どんな国道なのか。この国道がどことどこを結んでいるのかという話からはじめると、それは三重県四日市市と大阪府池田市、ということになる。これを言ってみたところで別にそんな奇妙なことはない。この国道のどこが奇妙なのかと言われれば、それはそのコース取りなのだ。もし手元に、四日市と池田が収まっているような道路地図があるなら、ぜひ見て頂きたい。この国道の進み方が、いかに謎めいているかが分かるだろう。これを全線走って四日市から池田まで行こうと考える人間など、(酷道マニアを除いては)まずいない。

※ 写真の下の説明書き、「池田方面」などとあるのは、どちら側を向いて写真を撮ったかです。

《 国道367号分岐から前ヶ畑峠へ 》

国道367号線から分岐。(池田方面) 山の中へと分け入る。(池田方面) これが国道なのか。(四日市方面)
時々2車線もあるが、(池田方面) なかなかきつい勾配。(池田方面) 峠へと道は登る。(池田方面)

既述のようにこの国道、全線にわたって変なところばかりなのだが、ここでは国道367号(鯖街道)との分岐から百井峠を越えるまでの酷道区間(この区間、すべてが京都市左京区内)についてレポートすることにする。調査日時は2000年7月30日(日)、車はヴィッツ、友人と2人で走ることとなった。

国道477号を四日市の方から辿ってくるとするなら、国道367号との重複区間を途中峠から大原方面に向かって下りて行き、しばらく行ったところで右へと分岐する。しかし、その交差点に分岐案内はなく、ただ、小さい標識が国道477号の分岐を告げているだけだ。分岐点の貧弱さからもこの国道の怪しさが伝わってくる。

少し行くとしばらくのあいだは2車線の道が続くが、それも束の間、1車線ですれ違い不能な道へと成り下がる。少し行き、右へのヘアピンカーブを過ぎると峠への登りにかかる。幅は確かに狭いものの、すれ違い場所は結構ある。しかし、勾配がなかなかすごい。ヴィッツ(AT車)ではローに入れないと登らない。

かなりのあいだ登って峠に辿りつくが、峠を越えるとあまり下ることなく集落に到着する。

《 前ヶ畑峠を越え、百井峠へ向かう 》

「R477号はこちら。」 (池田方面) 左は家。国道は右側へ。(池田方面) ここも国道なのか。 (四日市方面)
強引にすれ違う。(池田方面) 水田脇を控えめな国道。(池田方面) 薄暗い木立の中、峠へ。(池田方面)

集落の中にはいると分岐点がある。ここは 「R477号はこちらです。」 という看板に従って左に曲がる。左に曲がると、それまで十分に貧弱だった道路の格がさらに下がる。家の中に入って行く道と国道本線の幅が同じくらい、もしくは国道本線の方が狭く感じてしまうほどで、迷ってしまう。

山間の盆地の脇を申し訳なさそうに国道は進む。そんな狭い道を走っていると、対向車登場。すれ違えないのでは? と思っていたら強引に離合。地元人は気合の入り方が違っていた。

盆地区間を抜けるとまた木々の立ち並ぶ中へ。杉かひのきか、針葉樹が立ち並んでいる。この日は曇りだからそうではなかったが、晴れた日に木立ちの中を走ると、木漏れ日が案外うっとうしい。フロントガラスに反射して視界が白くなるが、周りは暗い。またそのフロントガラスの反射もたえず変化する。木々に囲まれた山間の狭路をはしるには、あまり晴れていない方が気が楽だ。

《 百井峠を越え、花脊への道との交差点へ 》

この付近、少しひらける。(池田方面) 峠からの下りの様子。(四日市方面) アスファルトではない。(池田方面)
国道は、右から出てきて左奥へ。 右へぐるっと180度。(池田方面) ここは国道です、と標識。(池田方面)

木立ちの中をしばらく走って行くと百井峠に到着する。峠を過ぎると少しのあいだだけフラットな区間になっており、また進行方向左側に京都市内が望め、ほっと一息つける。夜はこの付近から京都の市街地の明かりが見えるのだが、夜景スポットとしては勧められない。車を停めるところなどなく、また来るのが大変だというのもあるが、光源から遠いため夜景自体があまりたいしたものではないのだ。しかし、自然の真っ暗闇の中を走ってきて、そんな中、遠くの方に見える光は「自然と文明の対比」という観点では面白いものではある。

さて、そのフラットな区間を過ぎると一気に下る。峠までの登り勾配よりもこちら側の下り勾配の方が急だ。以前MT車の1速でここを下ったことがあるが、あまりの急坂にトランスミッションの方(?)からすごい音がした。しかも、途中でアスファルト舗装からコンクリート舗装に変わり、所々荒れていて乗り心地は非常に悪い。これが国道だというのだからどうしようもない。

しばらく行くと、分岐案内が現われる。左方向が府道38号鞍馬方面、右方向が国道477号本線京北方面ということだ。それでその分岐点に到達すると、これがまたすごい分岐点で、国道をそのまま進もうと思うと右へぐるっとほぼ180度回転しなければならない。切り返しが絶対に必要ということもないが、それにはかなりの大回りが必要だ。(今回はヴィッツなので要らなかったということもあるが、以前レガシィで通った時、ぎりぎり切り返しなしで曲がることが出来た。)

この日はこのまま国道477号をたどり、京北町から八木町の方にも抜けた。この国道は京北〜八木間にも酷道区間があり、その付近の様子は別にレポートする。