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国道438号 木屋平〜神山

国道438号は徳島県徳島市と香川県坂出市を結んでいる国道だが、徳島から西側の山岳地帯へ入り、剣山のふもと、徳島県三好郡東祖谷山村見ノ越で北へと方向を転じ、坂出へと向うというルート取りをしている。

この国道、四国の山岳地帯を通るだけあって、「これぞ酷道!」といった、四国の国道の真髄を見せつけてくれる。なお、徳島市から東祖谷山村見ノ越までの区間は、これもまた酷道で有名な、国道439号と重複となっている。(国道439号は高知県中村市と徳島県徳島市を結ぶ国道。)

※ 写真の下の説明書きの「坂出方面」などとは、どちら側を向いて写真を撮ったかを 表わしています。特に断りがないものは徳島方面を向いて撮ったものです。

《 見ノ越から木屋平村中心部を経て、国道492号分岐までの区間 》

見ノ越からコリトリへと下る途中。 岩がもろいようで路面上に散乱。 谷筋で狭い所はこれくらいの幅。
所々にある待避所。 木屋平の中心地は狭路が連続する。 家々の軒先をかすめて通る所も。

2001年4月29日(日)、剣山に行った帰り、国道438号を東祖谷山村見ノ越から、国道193号山川町方面への分岐までの区間を走った。その時の様子をここでレポートする。車はレガシィ。

見ノ越の開けた辺りをトンネルをくぐって後にすれば、東側は断崖となっていて眺望は良い。しかし、道は狭く断崖にへばりつき、カーブの連続なので運転には注意。対向車が突然に目の前に現れることもあるが、落ちたら確実に死ぬ。幅に関しては離合不可区間が続く所もあって、この日も何度かバックを余儀なくされた。

またこの区間、落石も多い。落石によってガードレールが突き破られている所もあった。落ちてくる岩に対しては何とも出来ないが、落ちている石に対しては要注意。

狭い道、対向車との離合は気を遣う。 道路上の文字が大きいのではない。 この日は対向車が結構やってきた。

断崖区間を下りきってしまうと、谷筋を沿う道となる。離合不可な1車線区間もあるが、ところどころで片側1車線、中央線も存在する走りやすい道も現れ、それがしばらく続くこともある。そんななか、幅員減少標識が随所に現れるのだが、偽り標識であることが多い。カーブの手前の幅員減少標識に速度を落としてみるも、実際カーブを曲がりきったら特に幅が減少するでもなく、そのままの道が続いていたりする。整備が進んで実情に合致しなくなってしまったのだろうが、そのような標識は早急に撤去してもらいたいものだ。(この場合は、即事故に繋がるような危険性の高いものでは全くないが。)

さて、そのような、離合不可能1車線道路と快適走行2車線道路が交互に現れる状態の中進んでいくと、木屋平(こやだいら)村の中心地に至る。軒先をかすめて通る区間も多々あり、まさに 「軒先国道」。 家々の立ち並ぶ区間は、拡幅がままならないことが多く、このような道路は各地にあるが、それにしても狭い。

《 国道492号との分岐から、国道193号との分岐までの区間 》

この国道、国道標識が多かった。 木屋平から神山へ入っての様子。 こちらも随所で軒先をかすめる。
川べりを行く道。あちこちで狭い。
 
左438坂出方面。右193山川方面。
(坂出方面)
左の写真の少し奥に行った所。
(坂出方面)

国道492号との分岐の手前は片側1車線が確保された道がしばらく続く。しかしそれも、分岐に至れば終わり。分岐より東は峠越えにかかり、また中央線のない道路に成り下がる。といっても、この木屋平村−神山町間の峠越えは極端に狭いところはない。大体において1.5車線ほどの幅があり、速度を落とせばすれ違えるところが多い。

完全1車線の離合不可区間が現れるのは、峠を下りきって集落が現れてからだ。木屋平村の中心地ほどではないが、こちら神山町側でも軒先国道になるところが出てくる。前日ここを反対方向へ走った時には、おばあさんに横を向いてもらって通りすぎた。人とすれ違うのに、お互い向き合った状態ですれ違うのではなく、横を向いてもらってすれ違わなければならないというのは面白い。

集落では狭く、集落を過ぎれば時々2車線道路もあるといった状態をしばらく進めば国道193号との分岐にいたり、今回の酷道調査は終わりとなった。地図を見ると、この他の区間でもまだまだ狭いところはあるようだが、それはまた次の機会ということで。

《 付録:見ノ越から奥祖谷かずら橋までの国道439号など 》

R439は左へ。分岐は怪しげだが・・・
(坂出・中村方面)
あとは極端に狭いということはない。
(徳島方面)
上が438、下が439。剣山山頂から。
(左がそれぞれ坂出・中村方面)

今回、見ノ越から少しばかり国道439号を走って奥祖谷二重かずら橋まで行った。そのときの道の様子をここに付録として載せることにする。国道439号として独立させるにはあまりにも情報が少なすぎるのでこれが妥当だろう。

見ノ越で国道439号単独区間へと分岐する地点は怪しさたっぷりなのだが、あとはあまりたいしたことはない。確かに中央線はなくなるが、すれ違うのに十分な幅の道が続くのだ。時々、離合不可な区間もあるが、それもあまり続かない。

国道439号はじっくり走ってみたい道だが、これもまた次の機会ということで。