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国道421号 石榑峠越え

滋賀県と三重県の県境である鈴鹿山脈を越えるには、北から、国道306号、421号、477号、1号と、国道であれば4本の選択肢があがる。この中では、走りやすさを考慮するならば、国道1号を選ぶのが賢明であるし、たいていの人はそうするであろう。しかし、酷道ファンならば、一度はこの中の国道421号を体験しなければならないだろう。それほど、この国道421号という道は愉快な(?)道なのだ。

1999年4月25日(日)、様々なサイトでその凄さが伝えられる国道421号・石榑(いしぐれ)峠越えの実態調査を行なった。友人とともにヴィッツを借り、写真撮影と運転を交互に担当しながら、三重県側から滋賀県側に抜けた。

三重県側の麓には宇賀川渓というところがあり、そこまでは多少の交通量はあったが、そこを過ぎれば交通量は減り、そして道幅も減少した。(上の写真に見られる通り。) しかし、この程度のことに驚いてはいけない。なぜなら、これはこれから始まる国道421号の怪しさの序曲に過ぎないからだ。

さて、狭いながらもすれ違い可能な道幅の道を走っていくといきなり、我々の前に「幅員2m」の看板と奇妙なブロックが現れた。ここから、道路が狭くなるために、2t車以上の車が入れないようにするためのブロックなのだ。(ヴィッツには十分過ぎる幅。)

さあ、ここからが国道421号の真髄だ。離合困難な箇所が続き、また、舗装も一気に悪くなる。小石が路面に散らばっているところもあり、我々が国道を走っているということなど、全く感じさせてくれない。

勾配もなかなかのもので、ヴィッツ(AT車)はギアをローにいれないとのぼらない。何台かの車となんとかすれ違いながら進んで行くと、峠に到着する。そこで2つ目のブロックに我々は遭遇する。結局、先ほどのブロックとこの峠のブロックのあいだが最狭区間なのだ。

調査したこの日は、石榑峠は雲の中でそのうえ非常に風がきつく、寒かった。もっとも、石榑峠は標高約700mあるため、高度の問題かもしれないが。

風がきつく、視界もあまりよくない峠を早々にあとにし、後は滋賀県側に下るだけだ。滋賀県側は確かに狭いが、三重県側の最狭区間を体験した後ではあまり狭く感じられない。対向車に気をつけながら車を走らせ、峠付近では見られなかった背の高い木がまわりに現れるようになれば、もうかなり下ってきた証拠だ。

さらに進み、その木々も道の傍から離れて行けば、あとは消化試合のようなものだ。

以上が国道421号石榑峠の実態のようなものだが、こんな道でも交通量が結構あったのには驚いた。我々はどんな道かを事前に知っていたのだが、ここを通る車のどれくらいがこの道の実態を知って通っているのだろうか。道路地図を見たらちょうど国道があったからこの道を選択したという人もいるかもしれないが、突然にあやしげなブロックが現れたら、非常に驚くとともに不安を覚えるに違いない。この点を考慮すると、少なくとも国道に関しては実走調査をし、道路状況が記載されている地図を買うべきなのだろうし、そのような道路地図が増えることを願って止まない。

酷道ファンを喜ばすには十分過ぎるほどの道路、それが国道421号石榑峠なのだ。