> [酷道実走調査] > [国道178号 伊根町中心部]
国道178号は京都府舞鶴市と鳥取県岩美郡岩美町を結んでいる。内陸に入るところもあるが海沿いを走る区間が多く、丹後半島経ヶ岬付近などは海沿いの崖から日本海を眺めることが出来る。絶好のドライブルートだと言えるだろう。この国道、歴史的にルートの変遷を辿ってみると中々面白く、現在のルートと大幅に違っていた時期がある。今は岩美町で国道9号と接続しているが、以前は香住町から現兵庫県道4号となって村岡町で国道9号と接続していた。(接続地が美方町に入っていたこともあるようだ。) 更に、現在は丹後半島周回ルートを取っているが、岩滝町から久美浜町の間は現国道312号のルートを辿っていたことがある。このうち後者、現在の国道178号で丹後半島をぐるりと回る区間は、もともと国道でなかったものを格上げしたこともあり、伊根町中心部や丹後町の一部で狭い。ここでは伊根町中心部の狭路区間を取り上げることにしよう。
若狭湾を眺めてのシーサイドドライブ。 | ここ、中央線を引くのはやや強引か。 | 集落内はやや雑然としている。 |
ここでバイパスは左、山側へ。 | バイパス終了。突当りを右へ折れる。 | 右側から来た旧道と合流する地点。 |
2003年3月24日(月)、国道178号のうち丹後半島周回部を走ることにした。区間は岩滝町から伊根町を経て丹後町までの約50km。車はレガシィ。
国道176号との分岐から岩滝町の中心部へと入れば雑然としている上に、路肩の電柱がややうるさく、少しばかり気を遣う。中心部を過ぎてしばらくはどこにでもあるような片側1車線の道になるが、天橋立の北側付け根、傘松公園の上り口付近では駐車場に入ろうとする車がやや急に停まることもあって気をつけたい。
国道が左折するポイントを過ぎれば、快適なシーサイドドライブを楽しむことが出来る。4年前(1999年)の3月にはあった海沿いの狭小区間も今では解消されている。しばらく進んでいくと、幅の割には強引に中央線がひいてあったりして、対向車に気を付けなければならない箇所もある。しかしそんなに狭いというわけではない。そうするうちに途中で左側の山の方へと導かれる。
この付近は中央線を引けそう。 | 生活道路の雰囲気を帯びてくる。 | 舟屋の裏側を国道は進む。 |
狭いことには狭いが極端ではない。
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左側に写っているのがバス誘導車。
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遊覧船乗場でバス誘導車を写した。
(1999年3月30日撮影) |
今回紹介する伊根町中心部だが、現在これを迂回するバイパスを建設中で、途中山側へ導かれた新しい道はこのバイパスの先行開通だ。バイパスが出来る前の旧道の方もまだ国道のままだが、普通に走ればバイパスに入ってしまうのでここでは取り上げないことにする。ちなみに、交通量が減ったために生活道路の度合いが増したようだ。
今のところ、バイパスは新しいトンネルを2つ抜けると終了。先のほうへと工事中の道路が見えるが、まだそちらへ進むことは出来ない。突き当りを右へ折れ、すぐに旧道と合流する。ここからが伊根町中心部へ向けての狭小区間の始まりだ。しばらくは中央線こそないものの十分すれ違える幅であり、気にすることはない。ただ、走ったこの日はセンターを割ってカーブを曲がってくる車が非常に多かった。たまたまなのかもしれないが、この付近共通の走り方ということも考えられるので注意が必要だ。
広くなったり狭くなったりを交互に。 | すれ違えないことはなさそうだが。 | 見通しの悪いところは慎重に。 |
住宅地の中を縫うように進む。 | 真ん中を走ってくる対向車が多い。 | 信号に至れば集落内の狭路は終了。 |
さて、この狭小区間だが、路線バスが走っている。狭い区間でのバスと乗用車の離合をスムーズにさせる目的だろうが、「バス誘導車」というのが走っていて面白い。この日も途中でバス誘導車が止まっていたのでこちらも停まると、先に行けとばかりに運転席から腕が出た。
この付近、集落内と海岸沿いが交互に現れ、集落内のほうが狭い。そもそも、舟屋は海の方が玄関口なのであって、現在道が走っているのは裏口のようなもの。そう考えると、国道が集落内を縫うように走っているのもうなづけるというものだ。しかし、確かに集落内は狭いものの、そんなに見通しが悪いというわけでもなく、随所に広いところが作ってあって、実際に走る上で困ってしまうものではない。ただ、駐車車両には気をつけよう。
集落内をしばらく走っていくと、信号に出会う。国道178号を進むにはこの交差点を左折するが、これで伊根町中心部の狭小区間は終わる。あとは、丹後町にかけて所々に狭いところがあるがあまり長く続くところはない。