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国道168号 十津川沿い

国道168号は、大阪府枚方市から奈良県生駒市などを通り、途中他の国道との重複区間を経て、奈良県五條市から十津川村などを経由して和歌山県新宮市に至っている。(起点は新宮で、終点が枚方。)  紀伊半島縦断の幹線国道なので整備は進みつつある。しかし紀伊半島内、ほとんどの区間を十津川(熊野川)の流れと共にすることもあって、沿線地形が非常に険しい。そのため、狭い区間がかなり存在する。その狭い区間とは、奈良県で言えば、大塔村や十津川村ということになるが、ここではその両村内の国道の様子をレポートする。

《 大塔村から十津川村谷瀬にかけての区間 》

十津川に沿うようになると道は狭く。 大塔村役場付近は狭い区間が続く。 村の中心は雑然としていて気を遣う。
集落内は大体これくらいの幅だが、 過ぎるとこれくらいの幅が続く。 対向車が待ってくれている。

国道168号は五條から南下していくと、紀ノ川水系と十津川(熊野川)水系の分水嶺、天辻峠までは片側1車線が確保された非常に走りやすい道だ。しかし、その天辻峠を越え、十津川の流れに沿うようになると、道は狭くなる。舗装やガードレール、また必要なところにはミラーなどの設備は整備されてはいるのだが、幅自体が1.5車線となってそれまでのように気楽に走れるというわけにはいかなくなる。しかも、所々に離合不可な箇所も出てくるのだ。

十津川は河原自体は広いが、その河原がそのまま両岸の崖に接続するという感じの川だ。そのため、国道は崖の中腹にあるわずかな平地、または作り出した平地を縫うように走っていく。それで整備もままならないのだろう、川に沿う部分のほとんどは1.5車線だ。また、この国道で気をつけるべき点は、所々で離合不可箇所があること以上に、トンネルの出口入り口が急カーブになっていることだ。トンネルそのものは真っ直ぐなのだが、入る直前、出た直後に急カーブがあるトンネルが非常に多いのだ。出合い頭の事故には気をつけたい。

《 十津川村谷瀬からR425下北山方面分岐までの区間 》

写真からも分かるが舗装は悪くない。 右側の断崖絶壁、険しい地形。 狭いところでは前に車がいると楽。
勿論、待ってくれている対向車。
(1999年6月18日 撮影)
この中でダンプと鉢合わせした。
(1999年6月18日 撮影)
ここは1.5車線、離合は楽々。
(1999年6月18日 撮影)

この道はようやく本格的な整備が始まったようで、対岸に大きなトンネルが口を開けていたりする。また、既にきれいな道が出来ているところもある。(上野地周辺など) それでもやはり1.5車線の区間は非常に多い。落石覆いを造ってあるところなどは、拡幅は困難だろう。拡幅には別にバイパスを造らねばならない。

国道168号は奈良県を過ぎ、和歌山県にはいると所々で中央線がなくなるものの、それ以外は片側1車線が確保された走りやすい道になる。あとは新宮まで、熊野川に沿った快適なドライブが楽しめる。(以上、2000年9月2日)

国道168号は、狭い区間はあってもびっくりするような狭さではない。中央線がなくなってしまっても普通の車同士ならすれ違うのに十分な幅なところも多い。しかし、この国道は紀伊半島縦断幹線国道なので交通量が多く、また、ダンプカーなどの大型車が頻繁にやってくる。調査で通った日(1999年6月18日)も、落石覆いの中でダンプカーと鉢合わせした。道幅もそんなに狭いわけでもなく、すれ違い場所も随所にあるため、平日は困らないだろうが、観光シーズンに車が多数やってくると、渋滞が起こるだろうことは確かだ。(1999年6月19日)

(この区間の調査は、1999年6月18日に一部区間行なった時と、2000年8月28日に全線に渡って行なった時と、両方の写真を合わせてレポートとしている。1999年6月18日のものは写真の下に断りを入れておいた。その他のものは2000年8月28日のものとなっている。)